ぶんぶく茶がま
お店ではおじいさんが、ご馳走を食べていました。
「茶がまが売れたお陰で、美味しいものが食べられる。幸せだなぁ」
そんなことを思っていると、開いていたお店の入り口から売ったはずの茶がまが飛び込んできました。
「あれれ、茶がまが戻ってきた。どうしたことだ!?」
おじいさんが茶がまをよく見てみると、太いしっぽが茶がまからぶら〜んとぶら下がっていました。
「ははあ、茶がまはイタズラたぬきが化けていたものだったのか。」
茶がまがコトコト、と動きました。
「これ、たぬき、頭を出しなさい」
おじいさんがそう言うと、茶がまからぴょこんと頭と手足が出てきました。
「困ったねぇ。知らずにおしょうさんに三両も貰ってしまったよ。少し使ってしまったし…」
するとたぬきは
「おじいさん、ごめんなさい。でも前にぼくが猟師に捕まった時に、おじいさんがお金を払って逃がしてくれたんです。
だから、そのときの恩返しがしたくて茶がまに化けてきたんです。ぼくは茶がまにしか化けれなかったから…」
おじいさんは、腕組をして唸ってしまいました。
おしょうさんにはもらったお金を返さなければいけないし、
また茶がまをお店に飾って客寄せに使うにも、お客さんたちを騙すみたいで気が引ける…。
やっと、美味しいご飯が食べれるようになったのに、また貧乏な生活に逆戻りです。
おじいさんの困り顔を見てたぬきが
「ぼくは茶がまにしか化けることはできないけど、綱わたりは上手いんです。おじいさん、見世物をして働かせてください」
さあさあ、ぶんぶく茶がまのつなわたり〜
チチンドンドコポコポンポン
チチンドンドコポコポンポン…
おじいさんの鳴らす鐘と太鼓に合わせて、ぶんぶく茶がまのたぬきが綱渡り
可愛いたぬきの曲芸は評判で、お客さんがたくさんやってきました。
お金もたくさん稼ぐことができたので、美味しいものを食べて仲良く暮らしました。
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