一寸法師
泣きながら都をさまよい、都のはしの川岸まで来ると日が暮れてきました。
一日中歩いていたので疲れてしまい
姫は川岸に止めてあった小船の中で休みました。
そのうち眠ってしまいました。
すると強い風が吹いてきて姫が乗っていた小船が流されてしまいました。
小船は川から広い海へ出ていき、さらに流されてある島へ流れ着きました。
「ガオーッ!!!」
ものすごい奇声で姫は目を覚ましました。
そこに居たのは人間を喰う鬼でした。
「キャーーー」
姫は逃げようとしましたが怖くて動けません。
「ガハハハ!これは美味しそうな人間だ!」
鬼が姫を捕まえようとしたその時です。
チクッ
「痛い!」
鬼の足に痛みが走りました。
足元を見るとそこには鬼の足に縫い針の刀を刺した一寸法師がいました。
一寸法師は、自分の悪戯のせいで姫が家を追い出されてしまったことを申し訳なく思い
姫のあとをこっそりついて来ていたのでした。
「姫はお前のような鬼になんかに、わたさないぞ!」
鬼は一寸法師を摘み上げると言いました
「小僧、お前なんてひとのみだ」
そして、そのまま口の中へ放り投げ、丸飲みにしてしまいました。
一寸法師は、鬼のお腹の中で縫い針の刀を振り回し突き刺しました。
「イタタタタタ。グガッ!」
鬼はあまりの痛さに耐え切れず一寸法師を吐き出しました。
一寸法師は今度は鬼の目にしがみついてまた針を振り回して大暴れ。
さすがの痛さに鬼はガマンできず
「これはたまらん。逃げろ。逃げろ。」
と逃げていきました。
鬼の姿が見えなくなると、一寸法師は姫に自分がしたいたずらを謝りました。
姫は許してくれました。
鬼が逃げていったあとに、小槌が落ちているのを見つけました。
「まぁ!これは鬼の宝物。願いの叶う打ち出の小槌。一寸法師の願いはなあに?」
「ほくの願いは… 背が高くなりたい」
「分かったわ。せいでろせいでろ、高くなれ」
姫が小槌をトンと振ると一寸法師の背がトンと大きくなりました。
「せいでろせいでろ。もっと高くなあれ」
さらにトントンと背が伸びて、一寸法師は立派な若者になりました。
一寸法師と姫は、いろいろな願いを込めながら小槌を振り
大判小判宝物をたくさん出しました。
そして宝物を船に積み、都へと戻ったのでした。
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